ziechanA’s diary

気持ちは40歳台、年齢は老年、趣味は読書、将棋、麻雀、ゴルフ(スコアがさっぱり)で唯一の持病が糖尿病の爺ちゃんのブログです。中森明菜の「少女A」にちなんで「爺ちゃんA」にしました。糖尿病体験や好きな読書の感想などを書いています。 

江戸時代の人々の病気治療に対する姿勢や死生観はどうであったか?

 

江戸時代の人々の病気治療に対する姿勢や死生観はどうであったか?

コロナが猛威をふるっている現代で、無菌、無感染社会を目指しているかのような知識人のコメントをTVでよく見ます。

 

私は素人ながらこの現状を疑問に思っています。なぜならいくら医学が発達しても無菌室のような社会は存在しないのではないかと思っているからです。

 

 

私は江戸時代についても少なからぬ興味があり、ブログでも取り上げています。

 

江戸時代は現代よりも医学レベルは低く、疫病や災害にも無力であったと思いますがその時代の人は病気や健康、および自然との付き合い方についてどのように考えて対処していたのでしょうか?

 

私がこれまでに読んだ書籍のなかで、触れられている箇所がありますので今回はこれを紹介したいと思います。

 

参考書籍は後記で紹介しますので興味を持たれた方は是非お読みください。 

 

自然界との向き合い方

「日本人が知らされてこなかった江戸」原田伊織氏著のなかで、江戸人全体の「自然観」が書かれています。

 

昨今のTVやメディアでは識者のコメントの中に「自然との共生」という言葉がよく聞かれますが、著者は江戸人から考えるととんでもなく傲慢な考えであると書いておられます。

 

江戸人は自然と人間が対等であるとは考えていなかった、つまり人間は自然の一部であると考えていたので自然と共生できるとはまったく考えていなかったというのです。

 

現代では登山することを「山を征服する」と言いますが、そのように言う人は自然を征服できる対象と思っています。

 

著者はこういう考え方がいわゆる「乱獲」につながるのではないかと書かれています。

 

江戸人の「人間は自然の一部」という自然観は健康にも社会保障や軍事にも幅広く浸透していたようです。

 

この思想があったからこそ、山々にも小さな川、海にさえも神々が宿っていたと考え、人間は神々が差配する中で日々の営みを授かっているという考え、これが江戸人の「諦観」に結ぶついていくのです。

 

災害との向き合い方

同じく「日本人が知らされてこなかった江戸」の中では江戸人が災害にたいしてどのように感じていたのかが書かれています。

 

江戸時代、火事や噴火、津波、地震などが頻発していましたが、彼らはこれらはすべて「天の営み」であると考えていました。

 

人事はつくし、やれることはすべてやるが、その後は「天命」に任す。ちっぽけな人間が「天命」にあがらうことなどは到底不可能であると・・・。

 

神仏への祈りにより、天命を受け入れ、天との一体感を感じて再出発するというポジティブな「諦観」というものがしみついていたようです。

 

病との向き合い方

「江戸塾」杉浦日向子氏著、「江戸へおかえりなさいませ」杉浦日向子氏著の中で、江戸人の病気や死にたいする考え方が書かれています。

 

現代では人間にとって不要なものはすべて切り捨ててしまい、ばい菌はすべてシャットアウトという感じですが、江戸では蚤やしらみとも共生しており、のみ一匹でも殺せば地獄に落ち、小さな虫でも助ければ地獄に落ちても助けてくれるというような思想がありました。

 

疫病では昨日まで元気だった人が突然死去したりとか、命の頼りなさという点では虫や鳥と変わらない、人間は特別ということはなく、そのためよけいに人と人との連帯感が強かったらしいのです。

 

江戸時代の死生観について箇条書きにしてみました。 

  1. 病や死は日常的なものとしてとらえていた(現代人は理不尽と思っているが)。
  2. 生と死は表裏一体。赤ちゃんは生まれるとき、しっかりと拳を握って泣きながら出てくる(彼岸の世界のほうがよかった?)
  3. 現代は病を駆逐するものととらえて「闘病」であるが、江戸人は「病は未知の世界からのメッセージであり、その用件を聞いてからお帰り頂くという「平癒」という言葉を使った。
  4. 江戸は「老い」に価値を見出す文化で、現代は「量」「力」「速」を重視する文化である。
  5. 現代の「老後」という言葉は江戸では「老入(老いに入る)」と言われていて、老後恵まれて幸せだという雰囲気があった。
  6. 「死去」というのは死して去るという意味であるが江戸人は「往生(あの世へ生まれ変わる)」という言葉を使った。
闘病
他力的・受動的なシステムである病院にたのみ、最短時間で修復・除去することを最良とするもの
平癒
自然治癒力・自己回復力を最大限にたのみ、時間をかけ、やわらげ、しずめ、和解を目指すもの

 

 後記

結局、江戸人はある種の「諦観」、いわゆる絶望感ではなく、潔さからくる諦めのようなものがあったということですね。

 

病や死をけっして恐れず受け入れて、「病むべきときは病むが良き」、「死ぬべきときは死ぬが良き」という度胸の良さがみえますね。

 

参考・引用書籍は下記に記します。

 

 

 

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熟睡グッズ

 

スキンケアグッズ

 

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