ziechanA’s diary_糖尿病でも元気!

気持ちは40歳台、年齢は老年、趣味は読書、将棋、麻雀、ゴルフ(スコアがさっぱり)で唯一の持病が糖尿病の爺ちゃんのブログです。中森明菜の「少女A」にちなんで「爺ちゃんA」にしました。糖尿病体験や好きな読書の感想などを書いています。 

空腹時血糖値は目標値126を守るべきか?高齢者の場合

 

高齢者の血糖値管理は適正か?

平成28年厚生労働省の発表では「糖尿病が強く疑われる者」は約1000万人で、その内65歳以上が約60%になっています。

(「超高齢社会におけるかかりつけ医のための適正処方の手引き」日本医師会作成)

 

ADA(アメリカ糖尿病協会)の資料では65歳以上の約4分の1の人が糖尿病で、高齢者の2分の1が前糖尿病であると書かれています。

 (アメリカ糖尿病協会 DOI 10.2337/dc19-S012 2019年1月1日公開)

 

私も高齢者の部類に入っていますが、血糖値の目標、HbA1cや空腹時血糖値は若い人と同じ目標値となっているように思います。

 

血液検査の結果を見ても基準値には年齢の区別は書かれていません。

 

血圧もそうですが、本当に日本の医学会ではそうなっているのか疑問に思いましたので調べてみました。

 

 

高齢者といっても老化程度の個人差が大きいことに加え、非高齢者と違い加齢にともなう機能低下があることにより副作用が出やすいこと、低血糖が出やすいこと、また低血糖による認知機能の低下や心疾患、また転倒による骨折が起きる可能性があること、食後高血糖がでやすいことが挙げられます。

 

 

日本糖尿病学会はこのような問題意識に基づき、日本老年医学会と協力のうえ、2016年「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を作成し、発表しています。

 

高齢者糖尿病の血糖コントロール目標

日本糖尿病学会(JDS)と日本老年医学会(JGS)が決めた高齢者の目標は以下のとおりで要約を記します(2016年5月20日の資料)。

1.目標は患者の個人的な健康状態と余命を考慮して個別に設定する。

2.重症低血糖のおそれがある場合は安全な下限値を設定する。

3.高齢者の目標値を一応決めるが、個別判断を優先するので、目標値厳守ではなく柔軟に対応する。

 

目標値はHbA1cで設定されています。

 

目標値の表はネットで見ることができますが、簡単に文章で表現すると、インシュリン注射やSU剤などの重症低血糖をきたすおそれのある投薬をやっていない場合で認知機能が正常な高齢者、および軽度の認知障害の場合は7.0です。 

基本的ADL(日常生活動作・・食事、排泄、入浴等)低下している場合は8.0です。

 

インシュリン注射やSU剤などの重症低血糖をきたすおそれのある投薬をやっている場合で認知機能が正常な高齢者の場合は8.0ですが65歳以上75歳未満の場合は7.5としています。

この場合の軽度の認知障害のある人については8.0となっています。

 基本的ADL(日常生活動作・・食事、排泄、入浴等)低下している場合は8.5としています。

 

 

ちなみに高齢者でない場合は7月13日のブログ「血糖値は絶対に基準値内に入るようにすべきか?」で書きましたが、6.5となっています。

 

アメリカ糖尿病学会(ADA)では7.0、アメリカ内科学会(ACP)では7~8になっています。

 

高齢者の定義

高齢者の定義について 日本老年学会、日本老年医学会の資料「高齢者に関する定義検討ワーキンググループからの提言(概要)」2017.1.5があります。

 

従来は65歳~74歳までが前期高齢者で、75歳以上が後期高齢者とされてきましたが、10~20年前と比べて老化が5~10年遅れて若返りが起きていることを勘案して高齢者定義を下記のように提言しています。

 

65歳~74歳・・・・・准高齢者

75歳~89歳・・・・・高齢者

90歳~・・・・・・・・超高齢者

 

私の場合

HbA1cについて私の場合は、7月13日のブログ「血糖値は絶対に基準値内に入るようにすべきか?」で書きましたが、目標を8.0にしています。

 

それはリブレ(2週間の連続血糖値を測定するもの)の結果により、血糖値の高値をさげる方策をとると振れ幅が変わらないので逆に低血糖になるおそれがあると分かったのでそのようにしています。

 

上記の「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」から見ても間違いではないと思っています。

 

では空腹時血糖値についてはどうなのでしょうか?

 

この値126は1998年WHOにより決められましたが、それ以前は140であり、どのような根拠で126になったのかは不明となっています。

 

 

空腹時血糖値は若い人も高齢者も皆この126を守る必要があるのかという疑問がわいていました。

 

そんな折、雑誌「週刊現代」で次のような記事を目にしました。

 

週刊現代の記事

大反響特集「その手術、その薬は本当に必要ですか」の中で、「そんな「糖尿病」なら薬は不要。放っておいたほうがいい」という欄で次のような記事を見ました。

 

新潟大学名誉教授の言葉としてこのように書かれています。

欧米では、高齢者なら、空腹時血糖値の平均値を180~200mg/dlにすべきだと考えられています。これは40代、50代なら薬を出される数値ですが、年配の患者はこのくらい高い数値に保っておかないと、かえってリスクが大きくなるのです。 

 欧米では本当にそうなのか気になったので調べてみました。

 

空腹時血糖値についての日本老年医学会の資料

第52回日本老年医学会学術集会記録(日老医誌 2010:47:517-521)「高齢者糖尿病の治療基準を考える」を読んでみました。

 

この中で日本を含む各国の高齢者糖尿病の診療ガイドラインの目標値を示す表があります。

 

血糖値正常化が困難な虚弱な高齢者(ADL低下や低血糖のリスクがあるもの)について記載されており、以下に示します。

 

日本ではHbA1cが7%で、FPG(空腹時血糖値)は140となっています。

 

アメリカではHbA1cが8%で、FPGは個別に設定となっています。

 

カナダではHbA1cが8.1%で、FPGは180になっています。

 

欧州ではHbA1cが7.6~8.5%で、FPGは127~162となっています。

 

アメリカ糖尿病協会(ADA)の資料:「高齢者 :糖尿病の医療基準ー2019」 

 以下のことが書かれています。

勧告 低血糖

糖尿尿の高齢者では低血糖を避けるべきで、認知症との関わりが大きいと書かれています。

治療目標

認知機能が正常な高齢者はHbA1cは7.5%、認知障害等ある場合は8.0~8.5%としています。

 

高齢者糖尿尿のケアについて

糖尿病の高齢者においては合併症を発症している人もあれば、まったく発症しない元気な人もあり、治療について医療提供者はこの不均一性に考慮する必要があると書かれています。

機能状態が良好な健康な患者

医療提供者は自己管理教育と継続的な自己管理サポートが重要であるとのこと。

 

合併症および機能低下のある患者

低血糖による深刻な影響を受けるので血糖目標をゆるめることが必要とのこと。

 

ライフスタイル管理の勧告

糖尿病高齢者は適切なたんぱく質摂取と有酸素運動を含む運動プログラムが必要とのこと。

 

薬物療法 推薦事項

高齢者の厳格な血糖コントロールは過剰治療になり、低血糖のリスクを増やすことになる。

 

メトホルミン

2型糖尿病の高齢者向けとしては第一選択薬だそうです。

 

情報まとめ

以上、調べられる範囲での結果としては週刊現代記事中にある空腹時血糖値が欧米で最大200というのは見つけられませんでした。

 

ただし、かなり近い数値であることは確かで、私ももっとADAの資料を見つけようとしたのですが、ADAの登録が必要だったり、費用負担なしにドキュメントに到達できませんでしたので、実際には明確に200と明示した資料があるのかもしれません。

 

結論

HbA1cも同じですが、空腹時血糖値も健康診断結果の基準値126は高齢者ではない場合の値です。

 

高齢者の基準値は日本糖尿病学会の「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドラインでは血糖値の正常化をはかることが難しい場合は140にしており、欧米では200くらいになっているようです。

 

血圧についても高齢者かそうでないかによる区別が明確になっていないのが現状で、私達自ら認識を深めて判断するほうがよいと思います。

 

私達の親世代以上の方々の口癖でよく「自分の体は自分が一番よく分かってる」と言っていたのを思い出しますが、あながち暴論でもないのかと思う今日この頃です。